フリーランチの時代 時砂の王と来てこいつを読んでみました。

ついに惑星統一を遂げ、これから列強各国と渡り合うぞ、という矢先にレンカ帝国の帝都トレンカを災厄が襲う。
皇位継承権が低く僻地に飛ばされていた皇女と辺境帰りの青年官僚が帝都を救うべく立ち上がる。
というような話。

SFながら地震発生から復興の手順や作中の独特の雰囲気もあって関東大震災を連想する作品でした。参考文献によると関東大震災やらその他の地震やらいろいろなのが載っていて興味深い。
ま、それはともかく。
背景世界の事情もありSF的なガジェットはそれほど登場しない。するにはするが舞台となるレンカは後進国なので作中の帝都の雰囲気などはかなりイメージしやすいかと思います。しかもイラストや用語も昭和っぽくてSF慣れしていない人でも読みやすいかも知れません。
しかしハヤカワから出ているだけ有り只の地震ものではなくきちんとSF。ガジェットや背景世界の情勢などとても興味深い。
また、帝都の復興から主人公の皇女をはじめとした政体のありかた、敵役との政治戦やら役人のあり方、などなど、政治小説として読んでも面白いと思いますよ。
登場人物それぞれに信念があり、また、信念を確定していく課程は何ともうきうきするし爽快でした。
一番かわいかったのは主人公の侍女のサユカかなあ?まあ、舞台が政治と災害復興ということもあり女性キャラ自体があまり出てこないのだけれども。
この勢いでしばらくまたSFが続きそうな気もします。

ところでイラストに見る服装など意外と日本っぽい所があるレンカ帝国ですが日系の植民地なのだろうか?ジャルーダとかランカベリーとか違いそうなのもありますが、
主人公のスミルはハルハナミア内親王。ハルハナミア=春花宮かな。という気もしたのですが。スミル=菫か?

良いレビューを見つけました。
参考までに

あと、ラノベも今月は見逃せないのです。
特に電撃文庫から
狼と香辛料 12
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 4
ソードアート・オンライン 2―アインクラッド
は見逃せないな。とおもいます。