AirPodsが発表されましたね。
私は現在、ワイヤレスイヤホンのQCYのQY8を使用しています。これはもともとAirPodsが出るまでの繋ぎのつもりでしたので、とうとう本命が出ることになります。
Amazon.co.jp ASIN B01KDUKI12(QY8の後継、QY19。今から買うならこちらがお勧めです。安価なワイヤレスイヤホンとしてはかなり良いと思います。AACには対応していませんが、aptXは対応しています)
AirPodsとそのライバルたち
即座に購入の決意をした私。あまりに楽しみだったので情報収集をしていると、なにやらライバル製品もいくつか出る予定のようです。しかも、本命のAirPodsにも、無視できないデメリットがあるらしい。
そこで、AirPodsと、発見したライバル製品たちを比較して、吟味することにしました。記事の最後に比較表を置いておきます。
なお、以下の点については評価していないので、注意してください。
- 通話関連の機能(iPod touchなので)
- aptX対応(Apple製品しかないので)
- 音質(後述)
先に結論を書いておくと、現在はAirPodsを買うつもりでいますので、そのつもりでお読みください。
AirPods (Apple)
まずは本命のAirPodsの特徴を見ていきましょう。これを基準に他の製品を見ていくので、ここのセクションは長いです。
形状
ワイヤレスイヤホンの中でも珍しく(唯一?)、インナーイヤー型と呼ばれる形式です。従来のEarPodsと同じ形ですね。この形状は好みがはっきり分かれます。対珠の形によって合う合わないがあるらしく、合わない人はすぐに落ちてしまうとか。
私自身はカナル型が苦手で、それもあって有線ではEarPodsを愛用しているので、これは高評価ポイントです。
なお、AirPodsはバッテリー部分に重心が偏っていると思われるので、EarPodsより固定されやすいと考えられます。が、それでもEarPodsが合わない人がわざわざこれを選ぶのは蛮勇というものでしょう。
ただし、インナーイヤー型故の音漏れの危険性は、言わずもがなですね。
操作
また、操作性については、見て分かるとおり、コントローラーがないという明確なデメリットがあります。
これにはいくつかの理由が考えられます――一般的なスイッチ式のコントローラーを付けると大きくなりやすいことや、モーション加速度センサーではあまり多様な操作ができないという技術的な限界などもあるかもしれません。
デフォルトではダブルタップでSiriを呼び出せるようになっていますが、通勤電車の中でSiriに話しかけるのは気が引けます。
しかしながら、このダブルタップの操作は「再生/一時停止」に切り替えることができます。ですので、最低限の操作はなんとかなりそうです。
“ウェアラブル”の今:Appleが送り出した新たなウェアラブルデバイス「AirPods」 - ITmedia ヘルスケア https://t.co/4Itmx82vwX
— 君継 葭月 (@JiaYue) September 21, 2016
ダブルタップ時の挙動、再生/停止に変えられるのかよ! これをもっと広めろよ! pic.twitter.com/8NxQhpaTc2
接続
さまざまなメディアで喧伝されている通り、W1チップとやらのおかげでデバイスを近づけただけでペアリングがなんかいい具合になるらしいんですが、ペアリングなんて従来のワイヤレスイヤホンでも一回やるだけなのであんまり意味がない気がします。
また、同じiCloud IDを使用しているデバイス同士であれば、そちらにも自動でペアリングされ、切り替えが簡単に行えるとか。
……とはいえ、私はこの機能はあまり使わない気がします。確かにiPod touchのほかに、iPad mini 2とMacBook Proを持っていますが、iPad miniでイヤホンを使うことは基本的にありませんし、MacBook Proでは有線のイヤホンを使用しています。使ってみたら便利だった、という可能性はありますが、2台以上のデバイスを同程度に使う人向けという印象です。それこそiPhoneとApple Watchとか。
そんなことよりもこいつの真価は電源投入不要の自動接続にあると思います。
ワイヤレスのイヤホン・ヘッドホンを使用している人は、きっと「ふえぇ……いちいち端子を穴に挿すのめんどくさいよお……」という感情から発心したことでしょう。
bluetooth接続のイヤホンを手に入れ、それが電源ボタンを長押しすることに切り替わったのはとても便利でしたが、人間というのは堕落するもので、「電源入れるのマンドクセ」となるのはもはや必定です。
それに、現在はそんなに面倒でなくとも、耳に突っ込むだけで使用可能になるというのは、イヤホンを使うシーンが格段に増えるということでもあります。
しかも、片耳だけ嵌めてもそれを検知して片耳だけ音が流れるそうです(iOS側でモノラルにしてくれたりはするんでしょうか。わたし気になります)。イヤホンがより気軽に使えるというのが嬉しく、実は購入の決め手になったのはこれです。
バッテリー
充電は専用のケース方式で、このケース自体にもバッテリーが内蔵されています。ワイヤレスイヤホンとしてはメジャーな手法のようです。
連続稼働は最大5時間。15分で3時間ぶんの急速充電が可能。専用ケース込みで24時間以上持つという触れ込みです。あんまり心配なさそうですね。
音質
最後に、音質について。いろいろな記事を読むかぎり、おおよそ以下の3つに集約されます。
- EarPods同様クソだよ派
- EarPods同様良いよ派
- EarPods以上だよ派(少数派)
上2つはディスるかアゲるかの結論によって変わるだけですので、実質同じと言えます。
まとめると「少なくともEarPodsより悪いことはない」という感じでしょうか。音質の面でも、EarPodsが好きなら良い、ということになるようです。
もともと私は音質には興味がなく、「AAC対応だったら良い音なんじゃない?」くらいの認識ですので、以降音質については書きません。
価格
価格は$159(1万6800円)。過去のAAC対応ワイヤレスイヤホンが軒並み3万近くするという価格のなかで衝撃的な安さです。が、ワイヤレスイヤホン自体も安くなってきたことが、ライバルたちを見るとわかります。
したがって、同世代製品の中では、むしろ高級志向と言えそうです。
Beatsx (Beats)
Beats X Wireless Earphones (Black) | Beats by Dre
完全ワイヤレスではなく、ネックバンド式です。これも好みの問題ですね。完全ワイヤレス型の手軽さの恩恵は受けられない一方、ケースにしまわずに首にぶら下げておけるので、いちいちケースにしまう必要はありません(もちろん、有線イヤホンのようにケーブルの扱いに気を遣う必要もありません)。私が現在使っているQY8でも、この点は非常に便利です。Beatsxは左右がマグネットでくっつくので、より扱いやすいでしょう。
コントローラーは左右をつなぐケーブルについています。EarPodsと同様のスタイルで、操作しやすいと思われます。
接続面では、AirPods同様W1チップが搭載されていますが、電源投入が不要かどうかは不明です。
左右を離すと自動で電源が入る方式だと嬉しいのですが、Beatsxの製品ページには、そのようなことは書かれていません。「セットアップは電源を入れてあなたのiPhoneに近づけるだけで完了するのでとても簡単
」とあるので、接続時も電源を入れる必要はあるようです。
例のiCloud IDによる便利ペアリングはこちらでも使えるようです。完全ワイヤレスを好むかどうかで、AirPodsにするかこれにするか決まるという感じでしょうか。
充電については、Lightningの充電口がケーブルの最中についています。耳の部分につけるとQY8のような「潰したタコ焼き状」になる危険性もあるので、これは賢く嬉しい方式ですね。
ケーブル充電式のイヤホンで鬱陶しいのがMicroUSBの裏表なのですが、これはLightningなので裏表も問いません。
連続稼働時間はAirPodsと同様のものと思しきFast Fuelに対応しており、5分の充電で2時間の連続稼働に耐えるだけの充電がされます。
価格は$149.95(1万4800円)。AirPodsより少し安いです。
the headphone (Bragi)
Bragiはヘルスケア系の機能をめっちゃ積んだThe Dashというイヤホンを出していますが、その廉価版――音楽以外の機能を削ったかわりに安くなってバッテリーの持ちがよくなったバージョンです。11月発売。
ただしThe Dashにはあった防水機能と、キャリーケースについていたバッテリーがなくなりました。外出中に充電が切れたらそれきりです。もっとも6時間持つそうなので心配なさそうですが。
特筆すべきはAudio Transparency機能。これは周囲の音をマイクで拾ってイヤホンに流すモードだそうです。カナル型の高い遮音性はメリットでもありますが、状況によってはデメリットにもなります。
また、操作については、基本的なものはすべて可能なようです。再生と停止、着信を受ける、音量操作、それから前述のAudio Transparency機能の入切。Siriの操作ができるかどうかは不明です。
価格は$149。プレオーダー価格は$119。ただし日本への発送については未定であり、購入においてはなんらかの手段を講じる必要があります。
MUSE5 (Erato)
この記事を書いている最中に発見したものです。
写真を見るとけっこうごついのですが、「10gやで!」と軽さをプッシュしています。
連続稼働時間は4時間(100mAh)。これだけでは心許ないですが、チャージケース(700mAh)が付属しています。
特長はIPX5の防水性と、Single Touch Multifunction。詳しい操作方法は分かりませんが、以下のようにあります:
Power on/off, volume up/down, pairing, play/pause, play next/previous track, call accept/reject, and Siri are accessible with one button.
それから、サラウンド機能のEratoSurround 3D Audioというのも特長なようですが、実際どんなもんかは分かりません。
希望小売価格は$179。この中ではもっとも高価ですが、2016年末まではプレオーダー価格として$99という安さです。「Ships Worldwide」と書いてあるので、日本でも買えるかもしれません。
比較表
名称 | 価格 | コーデック | コントロール | 連続稼働 | ケース充電 | 防水 | その他特長 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AirPods | $159 | AAC | Siri / 再生・一時停止 | 5h | 可 | – | W1チップ |
Beatsx | $149.95 | AAC | コントローラー | 8h | – | – | W1チップ |
the headphone | $149 ($119) | AAC | 本体ボタン | 6h | 不可 | – | Audio Transparency |
MUSE5 | $179 ($99) | AAC, aptX | Single Touch Multifunction | 4h | 可 | IPX5 | EratoSurround 3D Audio |