趣旨
真空おひつで気泡の無いシリコーン型を作る事が出来たのでレポートです。
事の起こり
2ちゃんねるの「模型・プラモ板」の複製スレッドを眺めていたら、気になるワードを発見しました。
ちなみにスレッドは「複製スレッド〜聞いて型とりーな〜16」だと思いますが、現在落ちておりますので引用はできません。気泡がでやすい造形村透明シリコーンの話題だったと思います。
真空おひつって?
容器内を減圧してご飯を保存しておく事で、レンジでチンするだけで炊き立てのような美味しさをカムバックできるという触れ込みのものです。
蓋にパッキンと弁が付いていて、付属の(あるいは対応する)ポンプで空気を抜いてやると容器内が減圧できます。
以下の様なセットをはじめとして、いろいろな商品があるようです。
いのまは右の3合用を購入しましたが、蓋が透明なほうが判りやすいかも知れません。
使い方
シリコーンを適量ポリビーカー等にうつし、硬化剤をいれよくかき混ぜます。
でもって、かき混ぜたシリコーンを真空おひつの中に入れて10分ほど放置します。
漫画でも読んで待ちましょう。
ちなみに今回は、気泡の様子が判るように、造形村透明シリコンを使用しました。
お近くのボークスのお店で買えます。ラインナップは500g,1kg,2kgがあるようです。
というか、じつは、造形村透明シリコンを使ったから真空おひつを使おうという気になったというのが正しいのですが。
時間が来たらシリコーンをおひつから取り出しましょう。
あんまり時間を置くと、シリコーンがビーカー内で固まってしまいますので程々に。
この時点ではシリコーンの状態にさほど大きな変化はないように見えます。
依然として気泡も結構あるように見えます。が、特に問題はありません。
両面型なら粘土埋めした枠内に、割り型なら原形をつるしたところに流し込みましょう。
原形の入り組んだところは気泡が発生する事もあるので、少量のシリコーンを原形まわりに流しておいて、エアブラシ等で薄くのしておく手法はここでも有効です。
それ以外はそんなに気にせずにシリコーンを流し込んでも大丈夫です。
型が硬化するまでの間に気泡はほとんど抜けてしまい、透明な型ができ上がります。
仕上がり
青いブロック内が今回真空おひつで減圧してから流し込んだシリコーン、枠の上に乗っている丸いのが以前型取りに使ったシリコーンの残りです。
この写真を撮った時点ではまだブロック内のシリコーンは固まっていませんが、気泡が無くなっているのが判ると思います。
おそらく、おひつ内で減圧した際に、小さい気胞同士が合体して大きな泡になり、流し込んだ後、硬化までの時間に抜けやすくなったのかなと思います。
キャストに使えるか?
今回はシリコーンの話なんですが、レジンキャスト(ウレタン)などに使えるかというのも大きな感心だと思います。
まあ、おそらく注型後加圧する方式(圧力鍋を改造する方法があるそうです)や遠心注型(メタルフィギュアでも使うみたいです)のほうが効果はありそうです。両方ともやった事ありませんが。
真空おひつ内で減圧した方の中に注型するという事が出来ない以上、キャスト後に減圧する事になり、どうもうまいこと空気が逃げ切らずにエッジ部に気泡が出来てしまうような気がします。
ここら辺は型の流路の問題もありますので、また実験してみます。
注意点
シリコーンの脱泡時にはそんなに気を使わなくてもいいと思いますが、脱泡するモノはおひつのど真ん中には置かないほうがよいです。
おひつを空ける際に、弁のタブを引っ張り内部を常圧に戻しますが、このとき、弁の孔から結構な勢いで空気が中に入ります。
流動性の高い液体が孔の真下にあると気流で液体が飛び散る可能性がありますのでご注意ください。
とはいえ、この容器はウレタンが飛び散っても固まった後に簡単にはがれるのでそんなに心配はいりませんが。
あとがき
以上。真空おひつの模型向けのレビューでした。
2000円程度で結構効果的な機材だと思います。
よい模型ライフを。
いのま