購入品
産業用スプレーガンやコンプレッサメーカーとして業界では有名なアネスト岩田から出ているエアブラシ、いくつかグレードがあるんですが、「初心者から中級者まで」と銘打たれた「Eclipse」シリーズ。
そのサイドカップバージョン、HP-SBSです。
ちなみに、私は里見デザインさんで購入しました。
ホルダー
里見デザインさんから商品が到着し、わくわくしながら開封。
いざホルダに取り付けようとしたところで問題発生。
カップが邪魔でクレオスのエアブラシホルダにくっつきません。
クレオスのホルダ、背が高くていいんですが以外と使うハンドピースを選びますね。
結局、Faxの芯を切ってアバプタを作りました。エアテックスとかWAVEのホルダの方がくっつけやすいかもしれないですね。
比較
GSIクレオスのプラチナと比較してみます。
クレオスのエアブラシはIwataのOEMという話なので、部品の規格は同じかと思います。比べてみると、エクリプスとプラチナの方向性がわかるでしょう。
ニードル
プラチナ2、HP-SBSともに口径0.3mmのエアブラシですが、プラチナはニードル先端がかなり鋭利になっております。一方、エクリプスのほうが勾配が急です。
プラチナは細ぶき側のコントロール重視、エクリプスはいきなりドバッと出やすい傾向にありそうですね。
この勾配のきついニードルのおかげでVallejoのModelAirが希釈しないで吹けます。
この画像だとわかりにくいかもしれません、左がエクリプス、右がプラチナです。プラチナの方がニードルが出ている長さが長くなっています。両方とも0.3mmですので、針先が長いプラチナの方がより細かい吐出のコントロールができそうです。
ニードルキャップ
上で見た通り、ニードルの出がエクリプスの方が短いのと同様、ニードルキャップはプラチナに比べると短いです。
なお、エクリプスに付属のニードルキャップは穴とか開いてないタイプです。キャップ先端を抑えればうがいができますね。
ノズルキャップとかノズル類
H&S(エアテックスのコラーニとか)と同じくノズルがはめ込み式です。H&Sとはことなり、ヘッドキャップというパーツでノズルを押さえているため、ノズルキャップを緩めてうがいすることができます。
ボタン
ボタンはプラチナとエクリプス、そっくりです。
プラチナはボタン上部前方が膨らんでいます。これがおそらくセミイージソフトボタンの特徴である、ボタンを押しきるとニードルが少し後退するからくりでしょう。
一方、エクリプスのはまっすぐなボタンでした。あと、軽め孔が空いてないですね。
ニードルアジャスタ(プリセットハンドル)
ニードルアジャスタは着いていません。ヨドバシカメラで売っている限定生産版のHP-CSP(カップ直付け)にはプリセットハンドルが付属しています。
Iwataのエアブラシの特徴である、ニードル止めねじあたりに穴が開いたキャップがついています。
大変かっこいいです。ここに魅かれて買ったといっても過言ではありません。
画像はエクリプスとプラチナのおしりのパーツを交換してみました。ねじのピッチや長さは同じなので、パーツを交換すればニードルアジャスタが使えます。
エクリプスのキャップはOリングがついています。
カップ
近距離で吹きつけたときに視界を邪魔しにくいサイドカップ式です。
直付けのカップの方がお掃除は楽です。
昔、叔父上からいただいたオリンポスのHP-101はサイドカップでしたが、IwataのサイドカップはOリングとかねじとか付いていないので角度を変えたり掃除したりするのはそれなりに簡単じゃないですかね。
ただし、やっぱりカップを外した内部に塗料が少したまるので、カップを外して洗ったほうが良いかもしれません。
付属のカップは1.5ccの小さいのが付いています。ゲーム用のミニチュアなんかに使う場合はこの位の方がむしろいいかもしれません。ひょっとしたらVallejoのボトルをそのまま吹けるフタをつけることもできるかも。
プラチナと同様の7ccのカップやもう少し大きいカップもオプションで売ってます。
全長
サイドカップ式なのでカップ直付け式のプラチナに比べるとホース取りつけねじから先が短くなっています。それに伴い、全長も短くなり、取り回しがしやすい気がします。
この画像を見るとエクリプスの方がニードルが長く余っているので、ニードルが長いのかと思ったのですが、下の画像のようにニードルの長さ自体は同じようです。
私の指で隠れてしまっていますが、ボタンからブラシ先端までの長さがエクリプスの方が短いです。
とはいえ、同じエクリプスでもカップ直付けのHP-CS、HP-BS、吸い上げ式のHP-BCSでそれぞれ本体部分の長さが違うようです。
圧力・風量
L7の圧力最大時でプラチナより若干レギュレータの圧力表示が低くなります(つまりその分、ハンドピース内の抵抗が少ないのでしょう)。風量がエクリプスの方が強い気がします。
使用した感想
Vallejo Model Airを吹いてみました。
希釈
プラチナではModelAirをそのまま吹きつけるとニードル付近がすぐに詰まってしまいますのでちょっと薄めてみたんですが、なんか薄い?
カップが小さいことからなかなか溶剤混ぜるのが難しいかな。
と思いましたが、上で書いた通り、原液のままの方がきれいに吹けることがわかりました。ドロップインノズルの採用により塗布量が多く、粘度の高い目の塗料が吹けるのが特徴ってのは実感できます。
ラッカー塗料では使っていませんが、プラチナより濃い塗料で塗装できそうですね。
塗料の希釈はエアブラシ塗装で一番難しいところの一つですよね。プラモデルやミニチュア、フィギュアを塗る場合、モノが小さくなるほど使う塗料も少なくなって希釈もシビアになってきますから、ボトルから直接使えるのはとっても便利です。
塗料の量
けっこうぶわっと膨らむので、大きめのプラモデルも塗りやすかも。ただし、7ccのカップを付けたほうが大きいモデルは作業がしやすいでしょうね。ハセガワのタマゴヒコーキですと小さいカップだと一面を塗りきることができないくらいです。
とはいえ、こまめの使ってこまめに掃除するにはこのサイズのカップはかなり使いやすい大きさですね。気に入りました。
お掃除
はめ込み式ノズルですが、固定方法が工夫してあり、うがいが容易です。もっとも、ニードルキャップがクラウンや穴あきじゃないので先をふさげばうがいは容易です。
カップが小さいのでクリーナーの量は少なくてもいいような気がします。
また、カップの取り付け方法の関係でカップ内面が少し出っ張っていますが、ここは筆などで掃除したほうがよさそうです。
カップを外すと本体内部の空間の、カップの後ろ側に少し塗料が付着していました。ここの塗料はうがいではとれないので、筆などで洗う必要があります。水性アクリル塗料を使う場合は、時々分解清掃したほうがよさそうですね。
総評
エクリプスとして
塗布量が多く濃い塗料が吹けるので水性アクリル派(というかVallejo)を使うにはよいブラシです。
お値段もそんなに高くないので、初めてのハンドピースにも良いかもしれません。
特に、ラッカーを使いたくないって言う人は選択肢に入れてもいいと思います。
いくつかラインナップが出ていますが、お手入れのしやすさとカップの大きさからHP-CSかヨドバシカメラで売っているプリセットハンドル付きのHP-CSPが扱いやすいと思います。
サイドカップとして
エアブラシホルダーを選びます。
掃除はカップ直付けの方が楽っぽいです。
カップが邪魔しないので視界は広いです。
HP-SBSはエクリプスの中で一番短いモデルらしいです。