『永い後日談のネクロニカ』サプリメント、『歪曲の舞踏』が発表されましたね。長かった。

テーマは超能力だそうで、今から楽しみです。

ところで現状、ネクロニカはルール部分にけっこうな問題を抱えていて、そのどれもが個別の対症療法どうにかなる程度ではあるのですが、これが結構根が深いのです。

上記のアナウンス記事もルール部分のfixについては触れられていないのですが、今回のサプリメントで根本的に解決されている可能性は低いです。

そこでこれを機に、それを少しでも軽減する方法として、前々から考えていることを整理してみようと思います。それが表題の「『ネクロニカ』にスタックを導入する」です。鳥取(ローカルルール)として導入することを想定していますが、厳格に適用しようとするとまだまだバグが多いと思います。

スタックというのはMtGの用語のひとつで、呪文や能力が解決を待つあいだに置かれる領域のことです。スタック自身の解説は探せばいくらでも出てくるので、それについては置いておきます。要は「後入れ先出しを領域として定義したもの」だと思っておけばよいです。優先権はネクロニカではいらないんじゃないかな。

ネクロニカにスタックを導入する

ネクロニカでは、スタックはキャラクターごとに存在しますが、使用するのは基本的にアクティブなキャラクターのものです。これはアクションマニューバの同時処理のためで、詳しくは後述します。アクティブなキャラクターとは、要は手番であるキャラクターのことです。

スタックに乗るもの

  • マニューバ
  • 行為判定
  • ダメージ処理

ネクロニカにおいて、スタックに置かれるのはこの三種です。マニューバは宣言する際にコストが支払われ、スタックに乗ります。行為判定はジャッジタイミングのため、ダメージ処理はダメージタイミングのために、スタックに乗せる必要があります。

マニューバのタイミング

  • アクション

    キャラクターがアクティブであり、スタックが空であるときにのみ宣言できる。

  • ラピッド

    スタックが空であるとき、またはスタックの一番上にマニューバが乗っているときのみ宣言できる。

  • ジャッジ

    スタックの一番上に行為判定が乗っているときのみ宣言できる。

  • ダメージ

    スタックの一番上にダメージ処理が乗っているときのみ宣言できる。

  • オート

    置換効果を持つ常在型能力。宣言を必要としない限り、スタックに乗らない。

マニューバのタイミングのしっかりした定義も必要になります。宣言可能なタイミングを適切に制限することで、判定やダメージをスタックに乗せることが可能です。

アクションは、いわゆるソーサリータイミングです。ネクロニカの場合、このタイミングで宣言されたマニューバは同時処理になります。アクションマニューバの処理は後述します。

ラピッドはインスタントに似ていますが、スタックに処理が乗る以上「いつでも」というわけにはいきません。スタックが空である、またはスタックの一番上がマニューバである限り、宣言することができます。

オートは基本的に常に効果を発揮しますが、中には宣言を必要とする場合があります。マニューバが宣言された場合、それは必ずスタックに乗ります

ジャッジダメージについては注意点は特にありません。

【無限解体】【号令】【よぶんなうで】等のタイミング変更効果を持つマニューバは、あくまで「宣言を可能にする」だけであり、マニューバ自身のタイミングを変更しないこととして扱います。

アクションの処理

ネクロニカでは、同カウントのアクションマニューバは同時に解決を行います。スタックをキャラクターごとに置いたのはこのためです。

スタック上のオブジェクトは上から順に解決していきます。スタックの一番上がアクションマニューバになったとき、その解決は保留され、アクティブなキャラクターが変更されます。

すべてのキャラクターの手番が終了したとき、同時に効果を適用します。正直問題ありすぎるんでこの仕様どうにかしてほしい。

マニューバの効果の変更

このルールを導入することで、エラッタが発行されたいくつかのマニューバは、より当初の挙動に近い形で変更することができます。

【衝動】はオートに変更されましたが、【背徳の悦び】とのシナジーが失われてしまうため、以下のように変更します。

【衝動】 T:ラピッド C:効果参照 R:自身

コストとして、あなたは任意の未練に狂気点1点を加える。あなたが所有するマニューバ1つを対象とする。このカウント内にあなたがそのマニューバを使用する際、それのコストを0として扱う。

【援護】も同様です。

【援護】 T:ラピッド C:1 R:0〜1

他の姉妹1人と、彼女の所有する「アクション」マニューバ1つを対象とする。このカウント内に彼女がそのマニューバを使用する際、それのコストを0として扱う。

この変更を適用した場合、これらのマニューバは、厳密には対象のマニューバが宣言されるより先に宣言していなければなりません。実際のセッションでは融通を利かせる必要があるでしょう。

【リミッター】も、オートにしたのは正解ですが、修復不能のあたりはやりすぎです。

【リミッター】 T:オート C:なし R:自身

このパーツがバトルパート中に損傷した際に使用できる。このパーツが損傷している限り、バトルパート終了時まで最大行動値+2。

【パイルバンカー】についても変更の案はありますが、スタックとは関係がないので置いておきます。単純なことですが、シノビガミのように、すべてにおいてマニューバの分類を明確にすればいいのです。

おわり。

付記

用語は基本的にMtGのそれに準じているので、MTG Wikiもあわせて参照してください。