夢の絆・残月抄「夏の、終わり」

根無し草

やづきゆめ

 第一印象は題名の通り、「明るい伝奇」。ファンタジーの分類としては現代物のロウ・ファンタジーといったところか。しかし、基幹となる世界観というか世間一般における世界に対する認識(わかりにくい、要するにキャラクターが認知する世界)は特にいじっていない感じなのでどっちかというとやっぱり伝奇だろうか?

 今回隣のサークルさんだったので一セットいただいて初めて拝読。良いお話でした。同じ世界観で別の話がありそうな感じなのでぜひそっちも読んでみたい。

 主人公は退魔師の娘。シリアスな展開にはなっておりませんが舞台やキャラクターはそっち方面のハードな展開にも耐えうる、というかそっちを前提とした設定になってます。たぶん。ただ、ハードな展開に鳴った場合にもギャグ分を追加して話を軽くすることができそうな気がします。よく動きそうなキャラクターでうらやましいです。立体化しても栄えそうだな。

 装丁は表紙一色刷のオフセット印刷かな?左綴じの横書き。ブースの立体的で高密度な配置といいデザインセンスが読み取れます。文字の大きさ空白ともに読みやすく、また文量も新しい世界観に入って行くにはちょうど良い加減にまとまっています。だいたい20分くらいで読み終わって作品世界に入れるようになっているのは良いですね。重くなく。

 今回いただいたのはこの本と推理物と画集CDとしおりが入っていました。ゴージャス。ありがとうございました。

 おもしろい話だったので、そしておそらく今回いただいた本は外伝と推測できますのでぜひほかの本も読みたいと思いました。次見つけたら買うことにしよう。

同人書評

夢の絆・残月抄「夏の、終わり」

サークル 根無し草さま

著者   やづきゆめさま